新聞折込チラシで多重債務者を集めていた東京の弁護士の死

 私が独立開業した平成11年当時は弁護士が広告をすることは若干の例外を除いて禁止されていた。それが、翌年平成12年に解禁された。市民の弁護士へのアクセスを十全なものにするために解禁したと聞いている。

 

 それでも解禁当初はNTT電話帳(タウンページ)程度でそれ以外ではあまり広告がされることがなかったが、過払い金返還請求が過熱し始めた平成18年頃から段々とエスカレートするようになり、電車の吊り広告、テレビ・ラジオ広告、町中の大看板、新聞全面広告等止まるところを知らない状況になってしまった。

 

 ここ数年地方都市で東京の弁護士が新聞折り込みチラシを配布しているのが目立っている。彼らは地方都市の多重債務者をチラシで集客して市民会館や労働会館といった公営施設で無料法律相談を開いているのだ。

 

 そんな東京の弁護士の一人(仮に「X弁護士」としておく)が最近亡くなり、その子息の代理人弁護士がX弁護士の依頼者宛に手紙を書いたようだ。相続人たる子息は相続放棄も考えているので各地の弁護士会に相談してくれと言うのである。依頼事件の資料も同封してあった。また、X弁護士が過払い金を取り立てながら返金されていない分については東京弁護士会に届け出て欲しいとも書いてあるようだ。何でもX弁護士、処理できないほどの事件を受任していた疑いがあったので、X弁護士の所属する東京弁護士会の方で調査をしていたところと言うのである。

 弁護士広告のせいでとんでもない時代になってしまったものだ。悪い弁護士だけが大広告でのさばっているんじゃないのだろうか?